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読書 AI vs.教科書が読めない子供たち
AIが人間の仕事を奪っていくことはあるのか? 筆者はその疑問を東大受験ロボットで研究を進めていったときに、AIが苦手なこと、できないことをつかんだ。
しかし同じ質問を中学校や高校で実践してみたら驚くべき結果が。
理解力を養成できる時期と伸びなくなっていく時期も調査結果から推測できるとか。
東大に合格者を多数出している中高一貫校は12歳の時点で既に理解力を持っている。

新井紀子著 AI vs. 教科書が読めない子どもたち
などなど数学者のアプローチから論理的に実践されていく実験や調査結果が面白い。
以下調査に使った例題です。
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次の文章を読み、メジャーリーグ選手の出身国の内訳を表す図として適当なものをすべて選びなさい
メジャーリーグの選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の出身の選手であるが、その出身国を見ると、ドミニカ共和国が最も多く35%である。
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答えは4択で、鉛筆を倒しても25%の正答率にはなるかなと思ったら、なんと中学生の正答率は12%、高校生の正答率は28%だったそうです。
間違いの典型的な箇所は、例えばメジャーリーガーが100人いるとすると、合衆国以外の出身選手は28人いることがわかります。そこでドミニカ共和国出身者は35%ですから本来なら28人のなかの35%と考えなければいけないのに100人の中にドミニカ選手が35人いると考えてしまうのですね。
一部の銀行業務はAIによってかなり自動化されて行くことが既に実践されています。そこでこれからは人間にしかできない仕事に注力していく必要があるのだそうです。
ではAIが不得意な仕事とは、動議分判定といわれるもの、例えば
「私は明日山口と広島に行く」と「私は明日山口(という人)と広島に行く」という文の違いを判別することが苦手なのだそうです。
そしてAIではできないことは、推論、イメージ同定、具体例同定などだそうです。所詮AIは統計と確率を用いて回答している証なのだそうです。
しかし中高生の多くはAIが苦手なことが同様に苦手である。AIが得意なことは人間は太刀打ちできません。
ですから基礎的読解力を鍛える必要があるとして、著者はリーディングスキルテスト(RST)を行う組織を立ち上げました(関連サイト)。
そこで私は”おや?”と思いました。トニー・ブザンを師として展開しているマインドマップⓇは、理解力を養うために+記憶力+創造力そ相乗効果を上げるために、やってきているではないか!
私たちの活動に改めて自信を持ちました。